昨5日は、山口二郎・木下武徳両先生をはじめとする反貧困ネット北海道の方々とご一緒に、上田文雄札幌市長に面会し、「年末における貧困対策および就労・生活支援に係る緊急要望書」を届けてきました。
 わずか15分程度の面談でしたが、市長も前向きな対応をしてくださり、大変有意義なものでした。
 TVカメラも数台入っていたので、ローカルニュースで放映されたのかも知れませんが、おそらくそう詳しい報道はされていないでしょうから、要請事項をここにご紹介しておきます。
 終了後、「SOSネットワーク北海道」として独自に、保健指導課長との実務折衝に臨みましたが、ここでも実りある回答をいただきました。いずれ近いうちに公開できることでしょう。

 ちなみに、上田市長は退室がてら、私と握手しながら「太ったね」とひとこと。
う~ん、マイッタ。 寒空の下、自転車通勤を再開させようかな・・・。 (札幌市長への要請事項)

1.新しいセーフティネット事業の各支援事業等の窓口を一本か、または一箇所で対応できるように実施すること(ワンストップ・サービスを実施すること)
【理由】
 増大する失業および生活問題に対して、国の対策として就業支援・生活資金の貸付・住宅手当等の支給と様々な事業が実施されてきています。しかし、これらはハローワーク、福祉事務所、社会福祉協議会がそれぞればらばらに申請手続きをしなければならず、書類の不備や窓口対応の問題等で、利用希望者が窓口を「たらいまわし」される状況になっています。国は、「ワンストップ・サービス」とハローワーク一箇所ですべての手続きができるようにすると方針を示しています。生活に困難にある人が様々な各窓口で何度も時間と労力をかけて手続きをすることは大変困難です。是非、札幌市でもハローワーク等で「ワンストップ」で必要な支援が受けられるようにしていただきたい。

2.年末に開催する予定である反貧困ネット北海道の相談会に、市役所からも相談支援に協力していただきたいこと。また、その相談会の会場として、札幌市の施設を貸していただきたいこと。
【理由】
 反貧困ネット北海道では、12月半ばに相談会を開催する予定をしています。その際、札幌市のハローワーク、福祉事務所、社会福祉協議会の「新たなセーフティネット事業」に関わる担当者にも相談窓口に来ていただき、一時的にでも確実な「ワンストップ・サービス」を実施していただきたい。
 また、その相談会を実施するにあたり、大通駅地下の会場の確保をしたかったところですが、すでに予定が入っており、確保ができないところです。一般市民や住所を喪失した方にとっては、相談に来やすいところで相談会を開催していると参加しやすいため、相談会の会場として大通駅や札幌駅付近の札幌市の施設を相談会場としてお借りしたい。

3.国の通達が示すように、住居を失った方の生活保護申請時に、住居を確保するまでの間、一時的にカプセルホテルやネットカフェ、支援団体が確保した住居に宿泊した場合の宿泊料を支給すること。
【理由】
 札幌市のご尽力により、住所がないことを理由に生活保護の申請を受け付けないということはなくなってきているようです。しかし、まだ住所がない、つまり住居が定まらない間は、生活保護が開始されません。失業し、かつ家族などの支援が受けられない人は保証人の確保もできず、住所の確保は容易にはできません。そのため、住居が見つかるまでの間、路上生活を強いられてしまいます。このような路上生活を強いる問題に対応すべく、一時的な宿泊についても支給が認められるという国から通達が出ており、他都市では実施されています。札幌市におかれましても、一時的な宿泊について生活保護費の支給ができるようにしていただきたい。

4.住居を喪失した人や保証人が得られない人に対して、アパートなどをあっせんする不動産業者の情報収集および情報提供の仕組みづくりをすること
【理由】
 住所が定まっていないと生活保護について申請はできても、保護は開始されないため、生活保護の申請時に住居を喪失している人や保証人が得られないで住居が得られない人は、実質的には生活保護は利用できません。このような問題に対応すべく、国も通達において、利用可能な不動産情報を収集し、生活保護申請時に必要な場合には情報提供をするように求めています。しかし、札幌市では、生活保護の申請時にこのような住居に関する情報の収集や情報提供は行われておりませんので、実施するようにしていただきたい。