チェロのおけいこは、蜘蛛の糸よりも細々と細々とつづいておりました。

「先生、全然上達しない生徒で申し訳ありません。」
「全然気になさらなくってよくってよ。私の方こそ、全然進まないから申し訳なくって・・」

おお、なんと美しい師弟愛!

自分の練習不足を棚に上げ、
「なかなか上達しないのは、本物のチェロではなくサイレントチェロなんぞで練習しているからだ!!」
と思いこむことに。

心理学上「合理化」と呼ばれるこの自我防衛機制をいつものように有効活用(?)していたところ、この言い訳は、私の内心で勝手に成長を遂げ、合理的でない疑いのレベルから合理的な疑いのレベルへ、そしてとうとう確信のレベルまで高まってしまい・・

とうとう、おけいこの際に、先生に、
「やっぱりサイレントチェロだから、練習する気持ちも起きないし、上達しないんじゃないか・・そう思うんですよ・・」

「そうだと思うわ、そうよ、そんなサイレントチェロではやる気が起きないわよ。そのとおりよ。」

こうして、先生に連れられて、楽器屋さんに行き、本物のチェロを購入しました。

このチェロが、お高くないチェロなのに、なんとなんと、実に実に、素ん晴らしい音を出すんですよ!!

そうなると不思議なもので、こんな私でも練習しちゃうんですね(^o^)

今週の月曜日、上手い!!て誉められました。

お世辞でも嬉しかったです。

ここで一句

いいもんだ ほんもののチェロは いいもんだ