先日、高松で開かれた日弁連人権擁護大会において、死刑廃止に向けた国民的議論を巻き起こそうという決議が採択された。
 しかし、そもそも、国民の85%程度が死刑に賛成しており、私の周囲の弁護士でも、死刑廃止論者は国民の割合とそう変わらない。
 実際、刑事弁護をすると、犯罪を犯す人の多くが非常に可哀想な境遇で育った人であって、死刑を求刑されるような重大犯罪を犯した者はその度合いが強いことが容易に想像される。死刑を犯すような人は、本当は可哀想な人なのである。(だから、社会がそういう辛い家庭を手助けする必要が絶対的にある。)
 しかし、不幸にも残虐な犯罪を犯した人、何人もの人を殺し、何人もの人を強姦した人間が死刑にならないのはどう考えてもおかしい。
 死刑廃止論者は、死刑に抑止力は無いというが、酒酔い運転を厳罰化したら、酒酔い運転が激減したのは記憶に新しいところ。
 先日、とある老人が「死刑なんか廃止したいかん。市中引き回しの刑にしないと。」と言っていたが、そういう国民感情も大切だと思う。