成年後見制度については、制度が若いこともあり、種々の問題点があるが、今回、すごいことが起きてしまった、、、(-"-;)

とある女性は、兄と母親と三人で生活していた。

しかし、兄が熱中症の極端に酷いのからか、脳がやられて徐々に植物人間のような状態になった。

その過程で、私が相談されて、成年後見を申し立て、この女性が成年後見人に選任された。

兄は生活保護を受けており、古い家の持分だけを有していた。

この女性は、とても真面目で良い人であるが、これまで色んな困難を乗り越えてきた人。

病気でなかなか長時間は働けず、収入も少なかったが、徐々に回復してきて、

それなりに生活ができている。

そうした生活を3人でしてきた。

母親は亡くなったが、一時は、母親の年金が大きな収入源であった。

しかし、この女性ががんばり、兄の障害年金が遡及して支払われることとなり、収支の状況が大幅に改善した。

その矢先、この女性の勤務先が倒産し、1か月だけ、この女性の収入が途絶えたことがあった。

それまでにも、この女性は担当書記官に種々の相談をして、書記官も本当に親身になって相談を受けてくれていた。

そして、このとき、女性がどうしてもお金がないので、10万円程度、兄のお金を生活費に使ってもいいでしょうかと相談し、

当時、私もその旨電話をしたところ、お兄さんの意識がはっきりしていたら、どうするかを考えて、そのようにしてくれたらいいと思いますと親身になって言ってくれた。

この家族はそうして生きてきた家族だから。

本当に、いい書記官さんであった。

しかるに、書記官さんと裁判官が4月に交代した途端、この女性に何も問い合わせることなく、いきなり、弁護士を追加で2名も成年後見人に選任した(ちなみに、選ばれた弁護士2名はとてもいい人である。)。

問題はこの10万円の支出らしい。

この女性も私もびっくりした。

ちゃんと書記官に相談しているし、この兄の相続人はこの女性だけである。

しかも、この女性はいままで、無報酬で精神病院に入院している成年後見人の世話やその他の成年後見業務を熱心にしてきた。

しかし、専門家成年後見人が二人も専任されれば、今後、その報酬の支払が必要となる。

その額は年間24万円程度かと推察されるが、それはこの家族からすると非常に大きな金額である。

兄には100万円ほどの借金も有り、障害年金が支給されるようになったことで、何とか払えると喜んでいた矢先の出来事であった。

上記の書記官さんが言ってくれたように、お兄さんの意識があれば、財産は全て妹にあげて欲しいというはずであり、その他の人にあげる必要などないというはずである。

今後、10年間、20年間で、報酬は240万円、480万円となるはずである。

ネットを検索していたら、こんな記事(成年後見制度を利用した女性がこんな制度を利用するのではなかったと後悔する体験記)が、、、。

本当に残念なことである、、、。