今日は、北大法科大学院(ロースクール)3年コースの3年生、来年5月に新司法試験の受験を控えている3人の学生さんを励ます会を開きました。
 このブログの11月14日付の記事、「弁護士のいない町」で浦河にご一緒した10数名のうちIさん(男性)、OさんとKさん(女性)の3名で、ホスト側は私と、同じ事務所の新61期、現行62期(いずれも北大ロー出身)でした。
 
 
 彼ら彼女らは、新しい法曹養成制度が始まってから5回目の新司法試験を受験することになるわけですが、当初の計画ではとっくに年間合格者数が3000名を超え、合格率も7~8割で、合格後も前途洋々たる未来が切り開かれるはずが、ふたを開けてみると、合格者数は2年続けて2000名余で足踏み、合格率も27.6%(法学未修者向け3年コース限定ではわずか18.9%)と低迷しています(asahi.com9月8日夜の記事)
 新司法試験では、5年以内に3回という受験回数の制限が課せられているため、ロースクールを卒業したのに受験資格を失ってしまった方も出始め、ロースクール毎の合格率は、最高の一橋大(62.9%)と最低の大学(2%)とのロースクール間格差が広がるばかり。
 さらに、めでたく来年に最終合格を果たしたとしても、その後1年間の司法修習では給与がもらえなくなり、肉親等から生活費を出してもらえない人は国から毎月20数万円を借りるという「貸与制」が初めて導入され、ロースクールでも返済義務のある奨学金をもらっていた場合は、合計1000万円以上の借金を抱えたまま弁護士になる人も出るそうです。
 しかも、既存の新人弁護士の新規採用が広がらないため、内定がもらえない修習生は、日夜就職活動に神経をすり減らすことになるとか。
 これでは、学生さんたちが「国家的詐欺行為だ!」と怒り出しても不思議はありません。

 でも、昨日お会いした3人は、そんなことより、司法試験合格を果たして弁護士になった後に取り組みたいことをイメージし、それによって受験勉強のモチベーションを高めるため、浦河でのシンポに続けて足を運んでくれ、午後6時から日付が変わる頃までの間、大いに語り合い、食べて飲んで歌いました。
 どうか3人とも、そして、この間私がお会いした志あるロースクール生が全員合格を果たせますように!