1週間ぶりのブログ、久々に映画の話でも。

先日、仕事の合間にカティンの森という映画を観てきました。

ポーランドが誇る名監督、アンジェイ・ワイダ氏が、自らの父親も犠牲になったソ連軍によるポーランド軍将校の集団虐殺事件をテーマにした衝撃的な映画です。 以下、この映画の公式ウェブサイトから引用します。

 ドイツのヒトラーとソ連のスターリンの密約によって、ポーランドは1939年9月1日ドイツに、9月17日ソ連に侵略された。そしてソ連の捕虜になった約15,000人のポーランド将校が、1940年を境に行方不明になった。当初は謎とされていたが、1943年春、ドイツがソ連に侵攻した際に、カティンでポーランド将校の数千人の遺体を発見し、「カティンの森」事件が明らかになった。ドイツはソ連の仕業としたが、ソ連は否定し、ドイツによる犯罪とした。戦後、ソ連の衛星国となったポーランドでは、カティンについて語ることは厳しく禁じられていた。
 映画は、実際に遺された日記や手紙をもとに、「カティンの森」事件の真実を、ソ連軍に捕らえられた将校たちの姿と、彼らの帰還を待つ家族たちの姿をとおして描く。
 (中略)
 捕虜となったポーランド将校たちの、国家への忠誠と、家族への愛の狭間での引き裂かれるような想い。戦火の下、ひとすじの希望をたよりに、耐え忍び、生きる家族たちの不安。幾重にも語られる人々の運命は、戦争に翻弄されるなかで、交錯し、交わり合う。そして悲劇は戦後も終わることなく、ソ連の影響下、社会主義国家となったポーランドは、長い歳月、「カティンの森」 事件について国民に沈黙を強い、その真実に触れようとする者たちを厳しく処罰した。本作のラストシーンには、無念の思いで亡くなった多くのポーランド人とその遺族の万感の思いがこめられている。

 映画『カティンの森 』は、2008年アメリカ・アカデミー賞外国語映画賞の最終ノミネート作品に選ばれた。同年、ドイツのベルリン国際映画祭にて特別上映され、メルケル首相も出席し盛大に行われた。一方、ロシアでは 2008年サンクトペテルブルグ国際映画祭でクロージング上映されたものの、未だに商業公開の予定はない。
(引用終了)

 この映画のエンディング、ちょっとここでは書けません。どうして人間はこうも残酷になれるんだろうと思いながら、延々と続く殺戮の場面に、目をスクリーンからそらしたくてもそらせなかった。そして、画面はしばらく真っ暗になり、やがてエンドロール・・・。
 ある意味、ナチスドイツによるユダヤ人虐殺をテーマにした「シンドラーのリスト」よりも迫力のある作品でした。

 それにしても、ソ連邦が崩壊してロシア共和国になってからしばらく経つのに、未だに国内では公開されていないんですね。
 まぁ、日本国内でも「靖国 YASUKUNI」の上映が大騒ぎになったのは記憶に新しいところで、おそらく731部隊の人体実験や南京大虐殺をテーマにした映画なんぞ無事に上映できないでしょうから、ヒトのことは言えないのですが。