法 子 :弁護士さんに債務整理をお願いすると,ブラックリストに載るって聞いたんだけど・・・。



すばる君:個人信用情報の事故情報として記録されることを

      「ブラックリストに載った」と表現する人がいるみたいだね。

     実際には,法子さんが想像しているような,ブラックリストっていうリストは存在しないよ。

       個人信用情報を登録している機関としては,



      クレジット会社やカード会社などが加盟している「株式会社CIC」(連絡先0120-810-414)



      銀行系などが加盟している「全国銀行個人情報センター(KSC)」(連絡先0120-122-878)



      消費者金融(サラ金)などが加盟している

      「全国信用情報センター連合会(全情連)」(連絡先0120-441-481)



      信販などが加盟している「株式会社CCB」(連絡先0120-440-029)

    

      などがあるよ。

      最近,これらを統一しようという動きがあるみたいだね。



法 子 : ところで事故情報って?



すばる君:簡単に言うと,

      「貸したお金を約束どおり返してくれなかった」

      ことだと考えていいと思うよ。

      2ヶ月から3ヶ月返済を延滞することが典型的だね。

      事故情報の載っている人にお金を貸すと,

      約束どおり返してくれない可能性が高いということになるから,

      個人信用情報機関に加盟している業者は,それを見て,

      申し込んできた人に融資をするのを控えるという訳なんだ。

      弁護士が債務整理を依頼されて金融業者に介入すると,

      その時点から返済はストップする訳だから,

      事故情報として登録されることになるんだ。



法 子 :新たな借り入れができなくなるのは困るなあ・・・。



すばる君:でも,借金の返済に困っている人にとってみれば,

      とりあえず返済をストップできるのは大いに意味のあることだよ。

      生活を立て直すためには,借金をして生活するという習慣を改める必要があるし,

      新たな借り入れができなくなるのは,むしろ良いきっかけになるはずさ。

      さらに,弁護士に任意整理を依頼すれば,

      日弁連主催の全国協議会で採択された

      「多重債務者に対する任意整理を処理するための全国統一基準」にしたがって,

      将来利息やそれまでの遅延損害金をカットできることがあるから,

      弁護士への報酬を支払ってもお得になるケースが多いんじゃないかな。



法 子 :難しい用語については良くわからないけど,

     借金の返済がしんどくて,生活を立て直したいと思ったら,

     とりあえず弁護士さんに相談すればいいのね。



すばる君:債務整理の方法は,任意整理だけじゃなくて,

      借金の総額や,借金の理由などによっても対処方法はいろいろあるからね。

      とりあえず相談してみるのがいいと思うよ。

      あと,言うのを忘れていたんだけど,

      個人信用情報機関では,5年間,取引情報が保管されているから,

      完済して資料を捨てたとかの理由で自分がどこから借りているか,

      借りていたか分からないといった場合に,

      問い合わせて調べることもできるんだよ。



法 子 :過払い請求するときに使えそうね。

      ブラックリストって言っても悪いことばかりじゃないのね。



すばる君:だから,ブラックリストっていうリストは無いんだって・・・。



(弁護士 横尾 和也)