律 子 :知り合いの知り合いにお金を貸したんだけど,全然返してくれないのよ。
      60万円以下の請求だったら,簡易裁判所の少額訴訟っていう,一般市民でも簡単にできる

      訴訟があるのよね?
      これなら,弁護士さんに頼まなくても私だけで出来るわ!


すばる君:確かに,少額訴訟は,簡易裁判所に訴状の書式が用意しているみたいだし,手続きも書

      記官さんが教えてくれるから,一般人にも利用しやすいのは事実だけど・・・。
      知り合いの知り合いって・・・名前と住所は分かってるんだろうね。


律 子 :住所は分からないんだけど,名前と電話番号は分かるわよ。
      借用書も書いてもらったし。


法 子 : 「律子様 50万円確かに受け取りました。
                   090-○○○○-×××× 押田文」
      ・・・日付が入っていないし,「返す」って一言も書いていないじゃないの?
      しかも,この名前,本名なの?


律 子 :・・・。


すばる君:「いつまでに返す」ということも書いてもらわないと,お金をあげたのか,貸したのかが分か

      らないからね。
      また,住所と名前が分からないと,訴状を相手に送る(送達する)ことも出来ないんだ。


律 子 :大変だわ!電話して,住所だけでも聞きだしておかないと・・・。


  ・・・オカケニナッタデンワバンゴウハゲンザイツカワレテオリマセン・・・


法 子 :逃げられた?


律 子 :みたいね・・・。



           (弁護士 横尾 和也)