最近、過払い金返還請求に関するテレビCMが多い。
 私も、平成11年に弁護士になってすぐに商工ファンド(現「SFCG」破産手続中)に保証債務がある人から「主債務者が逃げて、商工ファンドから保証債務の履行請求を受けているが、どうしたらよいか。」との相談を受けた。
 利息制限法でそれまでの取引を引き直したら、1400万円くらいの約定債務残高が29万円くらいの残に減った。
 過払いのことは、司法試験や司法研修所でも全く習わないので、全く初めての経験であり、先輩弁護士に聞いても「それで解決するの?」という感じの答えだった。
 そのため、半ば手探りの状態で、商工ファンドに対して「29万円支払うのでそれで和解してください。」と伝えた。
 そうすると2、3日後、商工ファンドから連絡があり、その金額で和解ができた。1400万円の債務が残っているのに、それが30万円足らずの金額で解決できたのには驚いた。
 それから、10年以上の歳月が経過するなか、依頼者が依頼者を呼ぶ形で多数の過払い案件を取り扱ってきた。(債務者にとっては大きな借金があったのに、多額の過払いが返ってくるのだから、夢のような話しである。事業者では、2000万円以上、一般消費者でも夫婦で1000万円ほど過払いを取り戻した人がいる。)
 そうした中、全国の弁護士が頑張って債務者側勝訴の判決を積み重ねてきたために、現在では過払い金の取り戻しが昔よりとてもやりやすくなった。
 しかし、果たしてあなたちゃんとできるの?という弁護士、司法書士、行政書士が大々的に過払いを取り扱っているのは非常に問題である。示談で解決ができなかったときに、裁判がちゃんとできるのか?判決を取ったとしてその後の回収作業ができるのか?極めて疑問が多い。