ときどき、私が思う着手金や報酬より、たくさんくださる御客様がいて、そういう御客様は、非常にありがたい存在である。
とくに、報酬額をお伝えした後、それは少ないと言って100万円以上のお金を追加してくださったこともある。
今回、それとは別に、ありがたい御客様もいた。
というのが、弁護士をしていると、あっ!こんな判例は知らなかった、、、とか、こんな法律、条文は知らなかったというのが必ずある。
それで、ミスをすることもある。(判例や法律、条文の数はとんでもない数あるので、その全てを知っている弁護士など絶対にいません。)
それで、これまで何度か業務保険の利用を覚悟したことがある。
しかし、弁護士は、お医者さんと違って、例えば、訴訟の途中で失敗に気付けば、そこから挽回することができる場合が多く、
幸い、17年の弁護士生活の中で、ミスが結果に繋がったことはなかった。
が、、、今回、初めて、結果に繋がるミスをした。
というのが、私がとある判例を知らなかったせいで、おそらく、私の依頼者は、350万円ほどの損をした。
そこで、弁護士は、依頼者に黙っていれば、依頼者に自らのミスが分からないこともあるし、自分のミスでは無いと
言い訳をするのも簡単であろう。
しかし、私は嘘や隠しは大嫌いなので、速やかに依頼者に電話をして、事の次第を話し、保険を使って何とかしようと思っている旨を伝えた。
すると、依頼者の方は「いやいや、いいです。いいです。先生に申し訳ない。先生も保険なんか使うのは、困るやろ。」
などと言ってくれた。
保険が出るのかどうか、分からないが、自分がミスをした以上、払わないわけにはいかないが、依頼者がこう言ってくれるのは、すごくありがたいことで、非常に嬉しい言葉である。
やっぱり、嘘隠しをせず、誠実に仕事をしていれば、依頼者の信頼は勝ち取れるのではないかと考えている。