先日、NHKの衛星放送で「どんどん精子が減っていく。」という番組が放映されていました。フランスの番組です。
 農薬、プラスティック容器から溶け出す微量の環境ホルモン等々の化学物質が精子の数を減らし、その動きを鈍くしているとのこと。その他にもいろんなことが報道されていましたが、妊娠中の母親の血液を調べ、ホルモン異常を引き起こす原因となるある化学物質の有無を調べると、ほとんど全員からその化学物質が検出されたそうです。どうして、化学物質が母親の体内に入ったのか?その原因は、化粧品だったそうです。
 だから、デンマークでは、妊娠中の母親に対して、化学物質の入った化粧品を使わないように警告するパンフレットを全産婦人科に置いているそうです。(この点、前に読んだ本には、皮膚には本来、バリア機能があるが、界面活性剤が作用すると、そのバリアを化学物質が通り抜けてしまう。だから、界面活性剤が入った化粧品やシャンプーを使うと、化学物質を体内に取り入れる結果となってしまう。また、口から入る毒物は解毒しやすいが、皮膚から入った毒物は解毒しにくい(これらは経皮毒と言われる。)といったことが書かれてありました。)

 また、マウスを使った実験では、その化学物質を微量でも胎内でとりこむと、その胎児が成人になったとき、乳ガンになる危険性が高まるといった実験結果が出たそうです。
 科学者の間では、化学物質が人間の性に大きな影響を与えることは常識となっているが、化学物質を生産、販売する企業がロビー活動をして、規制に反対する活動を行っているとのこと。
 しかし、EUでは、規制する法律が出来たそうです。
 私の周りでも、子どもの出来ない家庭が非常に多く、問題は、今そこにあるのに、日本ではEUでなされたような議論すらないことが悲しい限りです。
 化学物質等の害は、生まれてくる子供に出ることが多く、先日、同じく、衛星放送で放映された核実験に参加したアメリカ兵らを取り上げた海外のテレビ番組でも、その子どもたちに多くの障害が発生したことが放映されていました。
 化学物質の放置、自然破壊を伴う公共事業、1000兆円に迫ろうとする国の借金。これらすべて、次世代に迷惑をかけることに非常に大きな問題があります。