昨日、地裁の所長、地検検事正と香川県弁護士会副会長の私の3者で裁判員制度を含む法教育について香川県教育委員会に協力のお願いにあがった。
 裁判員制度のための法教育では、次の3点の柱があるとされている。
① 刑罰や刑事裁判の意味の理解
② 刑事裁判における裁判官、検察官、弁護人の役割と刑事裁判のルール
③ 裁判員制度の意義と裁判員の役割
 裁判員は、有罪か無罪かの事実認定と量刑を行う。
 量刑の場面では、被害者の心情、被告人がその犯行をするに至った経緯、被告人の生い立ち等の被告人の情状、一般予防(世間一般に対する犯罪抑止効果)、特別予防(被告人に対する犯罪抑止効果)等を考え判断することになるが、これまではそれを司法試験に合格し、その中でも修習生の時代に優秀な成績を収めた裁判官という一部の人たちだけにその判断を委ねてきた。
 しかし、前記の被害者の心情、被告人がその犯行をするに至った経緯、被告人の生い立ち等の被告人の情状、一般予防、特別予防を一部の特殊な人たちだけに任せて本当に良いのかという問題がある。
 しかも日本の裁判官は99%という異常に高い有罪率の中で、有罪であることに慣らされてしまっているという問題もある。
 そこで、今回の裁判員制度ができた。
 そのような意義を生徒に理解してもらい、裁判員となった人たちが裁判官のみでは足りない部分を補完する役割を果たしてもらいたい。
 そのために、まずは学生の時代に刑事裁判の意味や仕組みを理解すべく、短時間ではあっても刑事裁判の基礎をよく学んでもらいたいと思う。