最近、司法試験が非常に簡単になっている。
 そのため、合格者のレベルが極めて低くなっている。合格者のレベルが低いまま、弁護士になれば、当然、弁護過誤が生じる。被害者は国民である。
 司法制度改革の中、弁護士増員のための制度として、何故かロースクールの制度が誕生した。これには、当時、多くの弁護士や学者が反対していた。私も今も昔も大反対である。
 以前の司法試験は、貧乏人でも金持ちでもチャレンジできた。しかし、私の受験時代にロースクール制度があったら、私も司法試験を目指していたかどうか分からない。
 大学時代だけで、仕送りと学費で親には1000万円ほどの経済的負担をかけている。そんな中、ロースクールにあと2~3年行かないといけないとなれば、更に500万とか800万円の追加負担をお願いしなければならない。
 これでは、金持ちしか弁護士、検事、裁判官になれない。金持ちの子息だけが人を裁き、個人間の争いに結論を下す。そんな社会はごめんである。
 今、多くのロースクール卒業生が何百万円もの奨学金という借金を負っている。
 そして、更に、来年から(?)司法修習生は無給になる(我々の時は年間300万円程度の給料をもらいながら、修習が出来た。)。
 そうなると、弁護士や裁判官になる前に、更に多額の借金を背負うことになる。
 これでは、新人弁護士は勢い、金儲けに走らざるを得ない。しかし、今、弁護士が大量増員されているため、弁護士の初任給は下がる一方で、300万円台という年俸すらある。(更に弁護士には毎月多額の会費の支払義務もある。)
 また、運良く弁護士になれた人はいいが、借金だけ背負わされて、結局、司法試験に受からなかった人もいる。そういう人たちは1000万円に迫ろうかという借金をどうやって返済していくのであろうか。
 ロースクール制度というのは、少子化で横に増えない学生を縦に増やそうとした文科省の利益誘導じゃないのか?(今、民主党が教員養成課程を6年制にしようとしているが、大問題である。なお、2006年に6年生となった薬学部も偏差値が大きく下がり、定員割れも起きるなど、多くの弊害が指摘されている。)
 害悪が多いロースクール制度は廃止して、旧来の司法試験の復活が望まれる。